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山の軽口ばなし:「落ちこぼれ竿打ち仙人」


「落ちこぼれ竿打ち仙人」


 山や峠には仙人の名がつくところが多い。空を飛べ、

変身、不老長寿など自由自在のこんな仙人にも落ちこぼ

れがいるというから愉快です。



 奈良時代、大和の国出身の「竿打ち仙人」という人が

いました。これが未熟な仙人で、仙薬を飲んで一生懸命

修行をしますが、いっこうに空を飛べません。



 半分あきらめかかっていたころ、勢いをつけて飛び上

がったら、どういうはずみか、2~3mの所をヒョロヒ

ョロ飛べるようになりました。大人たちは、それでも人

のできる技ではないと感心。



 しかし、喜んだのは悪ガキ共。トンボやチョウと同じ

ように、竿をもって仙人を追い回します。慌てた竿打ち

仙人は逃げ回っていたということです。



 竿で追いかけられていたので「竿打ち仙人」と呼ばれ

ていましたが、いつしかいなくなり「その終(は)つる

所を知らざりけり」と古書『本朝神仙伝』に出ています。


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山は神仏や精霊、天狗や怪異と出会う霊域。神話や伝説を訪ねた本。
・編集からのご要望で、『日本百名山』の項目とはなるべく重なら
ないようにしました。またカバー写真・雨飾山は掲載していません。
・ヤマケイ 『日本百霊山』ホームページ:
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山の初心者【軽口ばなし】「野山のはがき・字書き虫」



▼「野山のはがき・字書き虫」

【概略文】
 野山を歩いていて、文字や絵を描いたような木の葉っぱを見たこ
とはありませんか。まさに「葉書」です。字書き虫の仕業です。字
書き虫は葉の中に潜って暮らす虫で、ハモグリガや、ハモグリバエ
の総称です。これらの幼虫の中には、葉の内層の葉肉を食べるため
中に潜り込む習性があるものがいます。

 この幼虫たちが、食べたあとが半透明に残り、まるで絵や字を書
いたように葉の表皮を通してみえます。昆虫の種によって模様が違
うそうです。幼虫のほとんどが潜葉性で、大きくなるとハンモック
のような繭や絹糸の束で囲んだ繭を作るそうです。

 字書き虫の中には害虫になってしまうものもいるというから残念
です。ハモグリガの仲間には、モモ・リンゴ・サツマイモ・アサガ
オなどに潜るものもがいます。ハモグリバエの仲間にはイネ・麦・
エンドウ・ネギ・ダイズにとりつくものもいます。

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山の初心者【軽口ばなし】「もう一つの金時伝説・長野金時山」



▼「もう一つの金時伝説・長野金時山」

【概略】
 おなじみの金太郎伝説は箱根の足柄山が有名です。しかし伝説は
足柄山だけではなく各地にあるという。長野県南木曾岳も金時伝説
の山。山中に金時ノ洞窟」や金時岩があります。

 そのほか長野県の大町市近くの八坂にも金時山があります。そこ
にはこんな伝説が残っています。昔、村内の山に顔の赤い紅葉鬼人
という女が住んでいました。鬼人は有明山の魏石鬼(ぎしき)の恋
人で、謎の岩窟といわれる場所で大王の子を産みました。

 それが金時だったというのです。その山を金時山といい、そばを
流れる川を金時と熊にちなんで金熊川といっています。魏石鬼が田
村麻呂に退治されるや紅葉鬼人は、山を去り舌を噛みきって死んだ
という。そこが鬼無里だということです。

 いまでも金時山で行われる金時山大姥神の神祭には必ず雨が降る
といわれています。
・長野県大町市八坂

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「北アルプス爺ヶ岳・種まき爺さんとカラス」



▼「北アルプス爺ヶ岳・種まき爺さんとカラス」

【概略】
 春、山にあらわれる雪形は、かつては農作業をはじめる目安にな
っていたという。爺ヶ岳は、南峰、中央峰、北峰の3峰があり、大
町市街からもよく眺められます。

 雪どけのころ、先ず南峰と中央峰間にざるを持った「種まき爺さ
ん」の雪形が黒い岩肌になってあらわれます。これが爺ヶ岳の山名
の由来です。

 そしてしばらくすると、爺さんの足元に黒い影があらわれます。
爺さんがまいた種をほじくるカラスの雪形だといいます。さらにそ
のあと、中央本峰に同じような人の形をした形があらわれます。そ
れを応援に来た婆さんだとし、カラスを追い払っているのだとして
います。

 雪形はもちろん、ここだけでなく、富士山やほかの山々にもあり
ます。しかし、このようにストーリーになってあらわれるのはここ
だけではないでしょうか。
・長野県大町市と富山県立山町との境

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山旅通信【ひとり画っ展】「東北・有り難い?早池峰神のご加護」



▼「東北・有り難い?早池峰神のご加護」

【概略】
 種もみが自由に手に入らない昔、ある男が、北上市方面で、よく
実る稲穂を黙って持ち帰りました。それを播いて実ってみたらもち
稲でした。翌年もそれをまきました。

 ところがある日、北上の人たちが早池峰神社にお参りにきて、稲
を見て「これはおれの家の種だ。盗んでまいたに違いない。品種は
もち稲だろ」。男は慌てて「いや違う。これはうるち稲だ」と言い
張りました。

 北上の人は、秋に穂が出たころ見にきて訴え出る、といって帰り
ました。村の男は困り果て、早池峰の神に願をかけました。秋にな
り、氏子はおどおどしながらその人を田んぼに案内しました。実っ
た稲穂を調べると、もち稲だったものが、うるちになっています。

 「これは早池峰山の神が助けてくれたに違いない」と村中で大喜
び。この米がいま生出(大出)もちと呼ばれるうるちのように見え
るもち稲だそうです。
・岩手県遠野市

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