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山の炉端ばなし「南ア・赤石岳と南朝の大将軍・宗良(むねなが)親王」



▼「南ア・赤石岳と南朝の大将軍・宗良(むねなが)親王」

【説明概略文」
 赤石岳の北側に「大聖寺平」という所があります。こ

の名は南北朝時代、西麓大鹿村大河原に籠居していた宗

良(むねなが)親王の故事による「大小寺平」ちなむと

いわれています。



 宗良(むねなが)親王は、南朝後醍醐天皇の皇子。南

北朝廷の争いで信濃国に入り、大河原に幽居。しばしば

赤石岳の山頂に登り、足利氏調伏を祈ったという。



 その後、約30年間にわたって大河原を根拠に駿河、武

蔵、上野、越後、美濃、尾張などを転戦ののち、ここで

死去したとされ、この一帯にはいまでも宗良(むねなが)

親王伝説残っています。



 荒川岳から南下、荒川小屋を過ぎると大河原方面へ下

る分岐で、指導標とケルンが建っています。このあたり

の平坦地が大聖寺平。



 近くに霊神碑などもあり、そんな歴史を秘めたところ

とはとても思えません。登山者は黙々と赤石山頂をめざ

します。

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山旅通信【ひとり画っ展】1087号発行しました。「房総の山々唯一の大天狗・夷隅権現坊」


▼「房総の山々唯一の大天狗・夷隅権現坊」

【概略】
 高い山のない房総(千葉県)では、名前のある大天狗

を探すのはなかなか大変です。なかで唯一、夷隅権現坊

という天狗が挙げられます。



 しかし、もともとの風来坊であちこちの山に出没、ど

この山がすみかかはっきりしないため、最初に姿をあら

わした千葉県夷隅の名をとったもの。



 江戸時代の『甲子夜話』に、上総の国夷隅の住人源左

衛門が天狗の世界に連れ去られた話が載っています。そ

して天狗たちといっしょに生活、その生活ぶりや生態な

どを見たといいます。



 自分も修行させられ、天狗の術を習い長福坊という天

狗名までもらいました。しかしあまりの「のろまさ」に、

師匠の天狗もあきれ果て、もとの人間の世界に追い帰さ

れたというのです。



 その間、菓子を一度食べた以外、なにも食べなかった

せいか一度も大・小とも通じがなかったということで

す。夷隅権現坊という天狗は、北アルプスの立山でも、

京都の鞍馬山でも権現と呼ばれて尊敬されていたらし

い。

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山の軽口ばなし:「落ちこぼれ竿打ち仙人」


「落ちこぼれ竿打ち仙人」


 山や峠には仙人の名がつくところが多い。空を飛べ、

変身、不老長寿など自由自在のこんな仙人にも落ちこぼ

れがいるというから愉快です。



 奈良時代、大和の国出身の「竿打ち仙人」という人が

いました。これが未熟な仙人で、仙薬を飲んで一生懸命

修行をしますが、いっこうに空を飛べません。



 半分あきらめかかっていたころ、勢いをつけて飛び上

がったら、どういうはずみか、2~3mの所をヒョロヒ

ョロ飛べるようになりました。大人たちは、それでも人

のできる技ではないと感心。



 しかし、喜んだのは悪ガキ共。トンボやチョウと同じ

ように、竿をもって仙人を追い回します。慌てた竿打ち

仙人は逃げ回っていたということです。



 竿で追いかけられていたので「竿打ち仙人」と呼ばれ

ていましたが、いつしかいなくなり「その終(は)つる

所を知らざりけり」と古書『本朝神仙伝』に出ています。


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山の初心者【軽口ばなし】「野山のはがき・字書き虫」



▼「野山のはがき・字書き虫」

【概略文】
 野山を歩いていて、文字や絵を描いたような木の葉っぱを見たこ
とはありませんか。まさに「葉書」です。字書き虫の仕業です。字
書き虫は葉の中に潜って暮らす虫で、ハモグリガや、ハモグリバエ
の総称です。これらの幼虫の中には、葉の内層の葉肉を食べるため
中に潜り込む習性があるものがいます。

 この幼虫たちが、食べたあとが半透明に残り、まるで絵や字を書
いたように葉の表皮を通してみえます。昆虫の種によって模様が違
うそうです。幼虫のほとんどが潜葉性で、大きくなるとハンモック
のような繭や絹糸の束で囲んだ繭を作るそうです。

 字書き虫の中には害虫になってしまうものもいるというから残念
です。ハモグリガの仲間には、モモ・リンゴ・サツマイモ・アサガ
オなどに潜るものもがいます。ハモグリバエの仲間にはイネ・麦・
エンドウ・ネギ・ダイズにとりつくものもいます。

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山の初心者【軽口ばなし】「もう一つの金時伝説・長野金時山」



▼「もう一つの金時伝説・長野金時山」

【概略】
 おなじみの金太郎伝説は箱根の足柄山が有名です。しかし伝説は
足柄山だけではなく各地にあるという。長野県南木曾岳も金時伝説
の山。山中に金時ノ洞窟」や金時岩があります。

 そのほか長野県の大町市近くの八坂にも金時山があります。そこ
にはこんな伝説が残っています。昔、村内の山に顔の赤い紅葉鬼人
という女が住んでいました。鬼人は有明山の魏石鬼(ぎしき)の恋
人で、謎の岩窟といわれる場所で大王の子を産みました。

 それが金時だったというのです。その山を金時山といい、そばを
流れる川を金時と熊にちなんで金熊川といっています。魏石鬼が田
村麻呂に退治されるや紅葉鬼人は、山を去り舌を噛みきって死んだ
という。そこが鬼無里だということです。

 いまでも金時山で行われる金時山大姥神の神祭には必ず雨が降る
といわれています。
・長野県大町市八坂

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