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丹沢の与太ばなし「西丹沢・明神峠とふたつの明神山」



「西丹沢・明神峠とふたつの明神山」

【概略文】
 西丹沢に明神山がふたつあります。ひとつは鉄砲木ノ頭(明神山)、

もうひとつは三国山から東にのびる尾根にある明神峠のとなりの明

神山。このあたりは明神が三つもある有り難い地域ということにな

ります。



 静岡県側御殿場方面から登ってくる道は明神峠でふたつに分か

れ、本道は山中湖・小山線という県道です。江戸時代後半の天保12

年(1841)、甲斐国都留郡平野村(山中湖村)に長田勝之進という名

主がいました。



 長田勝之進は、相模国小田原城主大久保加賀守忠愨との検地の時、

境界の目安になっていた明神山(鉄砲木ノ頭)の山中諏訪神社(明

神)の奥宮の祠を、神奈川県山北町の(いまの)明神峠に移してし

まいました。



 少しでも甲斐国の土地を増やそうと思ったらしい。それからは明

神峠と呼ぶようになったという。その後、神社や氏子の有志が、も

ともと「奥宮の建っていたのは明神山山頂である」ことを改めて認

識。



 いまのように明神山山頂が「諏訪神社奥宮」だとして、再建した

のだそうです。昔は領地を少しでも増やそうとコソコソと画策した

のですね。

・神奈川県山北町と、静岡県小山町との境。


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▼けふも山の与太ばなし。「東北の蔵王山は吉野の蔵王権現」




▼「東北の蔵王山は吉野の蔵王権現」


【概略文】400字
 蔵王山も噴火の山で、有史以来47回も爆発したといういう暴れ山。い

まも御釜の北東部で噴気活動が続いています。噴火の記録は、『吾妻

鏡』寛喜2年(鎌倉時代)11月8日条にあるのが最初だという。



 御釜は山形県境からはずれた宮城県側にあり、火山活動はみなこの

周辺からおこっているのだそうです。蔵王山は戦後まもなく「毎日新聞」

の「観光地百選・山岳の部」で第1位に選定され、観光地として発展して

いきました。



 昔は、不忘山、刈田嶺とも呼ばれていましたが、飛鳥時代、役行者の

叔父の願行が、奈良県金峰山から蔵王権現を勧請してから蔵王山と呼

ばれるようになりました。



 蔵王にも雪形があらわれます。5月初旬ころから南蔵王の「水引入道」

という山の東斜面に、「蒔き入道」とか「入道坊主」「雪入道」とかいう残雪

模様があらわれます。



 村人はそれを見て、苗代に種もみを蒔いたという。雪形はその年によ

って杖をついたり、傘を持ってあらわれたりするという。杖を持つ雪形があ

らわれた年は日照り、傘の時は雨が多い年になるという。

・山形県と宮城県との境。


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けふも山の与太ばなし「岩手山・歴史と鬼のはなし」




けふも山の与太ばなし「岩手山・歴史と鬼のはなし」

【概略文】
 岩手山の名は、凶暴な鬼が改心した証拠として岩の上に手形を押
して、「岩手」としたのにちなむという。また啄木記念館がある玉
山村渋谷地区の、突き出た大岩「岩出の森」にちなむとも、アイヌ
語のイワァ・テェケ(岩の手・枝脈)などの説があります。

 そういえば、外輪山の内側の噴火口内にまた妙高山があって、ケ
ルンがふたつ積まれてそれが2本の角になり、火口壁の上からみる
とまるで鬼の顔の形になっています。

 かつて岩手山には、大猛丸という鬼がすみ、館があったという伝
説があります。その妙高山の東側火口に岩手山神社奥宮があります。
神仏混交の時代には岩鷲権現、田村権現、田村大明神などといった
という。

 岩鷲の名は、岩手山の異名である岩鷲山からきたもの。田村、田
村とつづくのは、社伝にある延歴20年、坂上田村麻呂が蝦夷を平
定し、国土安泰を祈願してここに神社を創建したという故事からで
しょうか。

 この権現さまは獅子頭をご神体にするという。そういえば外輪山
薬師岳付近に石の獅子頭が置いてあります。
・岩手県雫石町と八幡平市・滝沢村との境。

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▼けふも山の与太ばなし。「茨城愛宕山の十三天狗と平田篤胤」




▼「茨城愛宕山の十三天狗と平田篤胤」


【概略文】
 茨城県筑波山地の北東部に連なる山々のひとつ愛宕山(岩間山)。山

中に愛宕権現をまつられ、かつては女人禁制の山でした。山頂には愛宕

神社があり、その裏の階段を登ったところに、天狗をまつる奥ノ院の飯縄

神社があります。



 この飯綱神社の例祭・悪態祭は有名で、12月に、周辺の村々から参

拝者が集まり、焚き火を囲みながら明け方まで悪口をいい合います。過

激な参拝者たちにより事故が起き、祭礼が中断していた時期もあったと

いう。



 しかしいまは、観光行事として参拝客や観光客も増えつつあり、暴力

的な罵声や、反撃はしなくなりました。女性だけが供物の奪い合える祠を

つくったりしています。



 愛宕神社の裏の階段を登ったところの飯綱神社の後ろに、天狗の本

拠地青銅の六角堂があります。その奥に「十三天狗」の石の祠が13個な

らんでいます。ここが十三天狗の棲み処だという。ここは平田篤胤が、天

狗小僧寅吉に聞き書きして著した『仙境異聞』の舞台です。

・茨城県笠間市。

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丹沢の与太ばなし「丹沢大倉尾根いまむかし」



「丹沢大倉尾根いまむかし」

【概略】
 塔ノ岳への登山道大倉尾根は、南アルプス仙丈ヶ岳の仙塩尾根となら

んで「バカ尾根」として有名です。単調で展望もなくダラダラと長くつまら

ない尾根をいうのだそうです。



 それでも登山道は、いつも老若男女のにぎやかな声が聞こえます。か

つては季節になると、登山道わきにヤマユリの花がたくさん咲いて楽しま

せてくれたものです。



 大倉のバス停から歩き出し、大倉山ノ家を右に見てゆっくり登っていき

ます。小ノ窪の少し手前の山の神ノ平。かって5月15日の塔ノ岳のお祭り

にはここでも青空賭博が開帳されたという。



 やがて大倉高原山ノ家へ登る道を分け、登っていくとちょっとした平地

に出るとゾージバノ平(雑事場・ぞうじば)と呼ばれているところ。やはり昔

のお祭りの日には、酒屋や菓子屋が出店していたという。少し先の見晴

茶屋を過ぎるとほどなく一本松跡です。



 ここには枝ぶりのよい大きな松の木がありましたが、1934年(昭和9)の

台風で吹き倒されてしまったという。山ろくの人々は、カヤや薪木を運ぶ

ために連れてきた馬をこの一本松につなぎ止めていたのだそうです。


・神奈川県秦野市堀山下集落大倉尾根登山口大倉バス停。


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