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★山の伝承「長野県・修那羅山の蔵王石仏」


長野県・修那羅山の蔵王石仏


ふつう「蔵王」というと東北の蔵王連峰を思い浮かべます。しかし、
その元である蔵王権現は修験道の祖・役ノ行者が、奈良県の吉野金
峰山に籠もり、感得した菩薩だそうです。


その像は青黒色の憤怒相。怒髪天をつき、右足を踏み上げ左足で岩
の上に立っています。


これは仏典には説かれていない日本独自の神だそうです。平安時代
以降密教が盛んになるにつれ全国に広がり、東北の蔵王連峰や木曽
御嶽山はじめ、日本各地の名山、霊山にまつられています。


奇抜な形の石仏と数の多さで有名な北信の修那羅峠。安宮神社の裏
山の細い道に石神石仏が五百体もならんでいます。


そんな中にも蔵王権現が鎮座まします。ここの蔵王権現は口をとが
らせ、右足を上げ、剣を振り上げた姿はいかにも親しみやすい。


頭上を覆う火焔がいま盛りのヒマワリの花に見えました。
・長野県筑北村と青木村との堺。



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★山の伝承「野山のはずみ玉・ジャノヒゲ」


野山のはずみ玉・ジャノヒゲ


日のよく当たる草地や林のへりに直系8ミリくらいの、コバルトブ
ルーの丸い実が光っています。ジャノヒゲという草の実です。


この実は地面にぶつけるとよくはずむので、昔のいなかの子供は、
はずみ玉といって遊んだものです。


ところで草の名のジャノヒゲは、漢字で書くと「蛇の髭」です。細
くて長い葉が、ヘビのひげに似ているというわけです。


エッ!ヘビのひげ?。ヘビにひげがあったっけ?と、そんなことを
考える人のために、リュウノヒゲという異名をちゃんと用意してあ
ります。


この草の細長い葉っぱは、先の曲がり具合といい、見ているとヘビ
にヒゲがあったらこんな形だろうと見えてくるから不思議です。


あのきれいなコバルトブルーは、果実ではなく種子の色だそうです。
果実でないため固く、まわりの皮をはぐと出てくる白い実は、固い
ものにぶつけるとはずみます。
・ユリ科ジャノヒゲ属の多年草




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★山の伝承「石仏紀行・羅漢さんと名月」


石仏紀行・羅漢さんと名月


「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」という歌があ
ります。


この歌は、月が8回出ているために陰暦8月の十五夜(中秋の名月)
を意味するのだという。


もともとは宮中の女官たちが中秋の名月をめでて歌ったものだそう
ですが作者は不詳だといいます。


埼玉県川越市の喜多院は天台宗星野山無量寿寺喜多院と称し、平安
時代前期に慈覚大師(円仁)が草創。境内にならぶ五百羅漢は寺宝
にもなっています。


羅漢さんとは悟りを開き功徳が備わった仏教修行者。羅漢さんには
十六羅漢と五百羅漢があるそうです。


五百羅漢はお釈迦さまのもとで修行した500人の聖者で、お釈迦さ
まが入滅後は、仏教のお教えをまとめることを目指し、それぞれの
道に進みました。


この500人の羅漢さんの名前などははっきりしないという。ここ喜
多院の羅漢さんたちも、ひとり瞑想にふけるもの、大笑いするもの、
怒るもの、寝そべるもの、頭をかくもの、どれを見ても表情豊かで
す。


そのなかになにやら耳打ちしながら談笑する姿の石像を見つけまし
た。
・埼玉県川越市。




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★山の伝承「南アルプス・赤石岳と椹島」


南アルプス・赤石岳と椹島


赤石岳といえば、1926年(大正15)、大倉喜八郎が88歳の高齢を
おして、特別注文の山カゴに乗り、人夫200人を従えて椹島から赤
石山頂への大名登山が有名です。


大倉喜八郎といえば、大倉財閥を一代で築いた政商。当時、このあ
たりの山林はすべて大蔵喜八郎のもの。荒川小屋はこの時初めて建
てられたのだそうです。


いま南アルプスのほとんどの山小屋はその系統の東海パルプ関連の
施設です。


ある年の8月、千枚岳から二軒小屋間で足を痛めてやっとたどり着
いた登山口椹島ロッジ。


構内の隅に創業者大倉喜八郎の記念碑があるのを見つけました。喜
八郎は狂歌をよくし「鶴彦」の号まであったという。


記念碑には「赤石のやまのうてなに万歳を唱ふる老も有難の世や」
(大正一五年八月七日 赤石岳絶頂を極む 九十翁大倉鶴彦)と刻
まれています。
・静岡市葵区。





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★山の伝承「登山道の楽しみ・ヤマグワ」


登山道の楽しみ・ヤマグワ


山里の裏山で、口のまわりを紫色に染めたハイカーに出会います。
クワの実をほおばりながら山から降りてきたのでしょう。


半野生化したものは、農薬の心配もなく安心です。クワは中国北部
から朝鮮半島にかけての原産とか。


古い時代に日本に渡来。『古事記』や『日本書紀』にも出ています。
クワとはカイコが食う葉、つまり「食葉(くわ)」だという説と、
カイコの葉(香葉)の意味の「コハ」だとの説があります。


子どもはその実をねらい、大人はそれを食べてつくるカイコの繭を
ねらいます。


クワとはクワ科クワ属の総称で、古くからある数種のクワがそれぞ
れ入り混じって、たくさんの栽培品種を作り出し、その品種は100
とも200ともいい、その他を入れると1000種は下らないという。


しかしそのほとんどがヤマグワ(山桑)、カラグワ(唐桑)、および
ロソウ(魯桑)の3種を原種としてつくり出されているのだそうで
す。


ヤマグワは日本原種で東北地方を中心に各地に分布しているという。
6~7月、赤から紫黒色に熟して、多汁で甘みがあり食べられるのは
ご存じのとおりです。





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