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★山の伝承「北アルプス・鹿島槍ヶ岳の雪田」

北アルプス・鹿島槍ヶ岳の雪田


富山県側からみて立山の後ろにある鹿島槍ヶ岳は文字通りの後立
山。ところが音読みすると「ごりゅう」です。


まずいことに五竜岳という山が同じ後立山連峰にならんでいます。
後立山とは鹿島槍ヶ岳か五竜岳のことかで大論争になったこともあ
るそうです。


鹿島槍ヶ岳とは長野県大町市鹿島集落にある槍ヶ岳の意味だそうで
す。では鹿島とはなんぞや?かつて地震や災害が続いたとき、山麓
の集落が大被害を受けたいう。


そこで村人は、地震の神として霊験あらたかな茨城県の鹿島大明神
を迎え、川や山、集落の名を改めたという。


8月、白馬岳方面から南を目指して縦走してきました。暑さジリジ
リ。たまらず吊り尾根の雪田に飛び込み、雪で顔を洗う。


裸になっている者、昼寝をする者、それぞれに憩う。冷えた「ゆで
アズキ」が口の中でジワ~。上空は気流が激しいのか、ガスが上が
ったり下がったり。


スプーンを持ったまましばらくボーっとしていました。
・長野県と富山県との境




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★おわり
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★山の伝承「南ア・甲斐駒ヶ岳黒戸尾根」

南ア・甲斐駒ヶ岳黒戸尾根


ここも各地の駒ヶ岳と同じように、馬にちなんだ名前だという。山
梨県側からの登山道の黒戸尾根は、標高差約2200mをほとんど登
りづめです。


3月、小雪の中、刃渡りからはしごを登って「黒戸刀利天狗」と呼
ばれる所へ着きました。


刀利天狗は刀利天のことだという。仏教でいう三十三天にあり、須
弥山の頂上の天にある宮。


薄暗くなりかけたころ、やっと今夜の宿泊の小屋に着きました。凍
り付いた雪をかいて五合目の無人小屋の戸を開けます。


夜半、風も強く吹き出し、明日の天気が気にかかります。暗闇の土
間で小動物が何かをあさる音がします。


雪に埋まる小屋のどこに住むのか。朝、夕べの天気はどこへやら。
見上げる甲斐駒ヶ岳が何という天上のかなた。


それにしてもあの小動物は今夜からまた一匹ぼっち。その生命力の
強さに舌を巻きました。
・山梨県北杜市と長野県伊那市長谷との境




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★山の伝承「高山植物・タカネナデシコと悪霊」

高山植物・タカネナデシコと悪霊


タカネナデシコはカワラナデシコの高山型。山の稜線などで優美な
花を見つけると疲れた足も休まります。


その昔、信濃と飛騨の国境に帰らずの峠と呼ばれる所がありました。
この峠の巨岩に、いつしか悪霊がすみつきました。


峠は悪霊のうめき声と、生臭い風が吹いて村人も気味が悪く近寄り
ません。


悪霊は次第に里にまで降りきては、何日も雨風を吹き荒れさせ、稲
穂までむしって田畑を荒らしつづけました。


村人はほとほと困り果ててしまいました。それを聞いた村一番の暴
れん坊の太郎は梓の弓を背負い峠に向かいました。


しばらくすると風が止み、青空が戻ってきました。村人が峠に行っ
て見ると太郎の放った矢が大岩に根づきナデシコの花が美しく咲い
ていたということです。


ナデシコ科ナデシコ属の多年草
・カワラナデシコの高山型。




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★山の伝承「山梨県・石割山麓内野の天狗社」

山梨県・石割山麓内野の天狗社


富士山の展望台のような山中湖の周辺の石割山から忍野に降り、内
野天狗社からバスで帰る登山者も多い。


ふつう天狗の祠は末社か摂社が多い中で、ここは境内が300坪もあ
る大きな神社です。


中はご本体がなく、ただサカキにご弊をからませてあるばかり。ご
本尊は摩利支天で、明治の半ば、柏木法印という修験者が創始。


摩利支天は天狗に似た通力をもち、火難、水難、賊難排除の守護神
で効験あらたかなため天狗社として祭られたもの。


また戦時中、ここの天狗のお札をお守りにすると弾丸が当たらない
といわれ関東一円からお参りに来たという。


有名になると当局が干渉するのは世の常。ご神体が神道とは違う、
天狗や摩利支天とは好ましからんと武神・武(雍の下に瓦)槌(た
けみかづち)命に変えてしまったということです。
・山梨県忍野村



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★遊々はがき絵【山のゆ-もぁ-と】「奥多摩石尾根・山小屋のブランコ」

奥多摩石尾根・山小屋のブランコ


雲取山山頂から東南にのびる石尾根。登山者たちはこの長い尾根を
奥多摩駅まで歩きます。


雲取山から30分のところ七ッ石山近くにある奥多摩町営の山小屋の
前には以前はブランコがあって、登山者が雲取山からの通りすがり
に一息つくのに絶好のところ。よくブーラブラと遊んでいます。


1月、石尾根は一面の雪が太陽に光ってまぶしいくらいです。こわ
れかかった風車をまわしながらブランコ遊びをします。


うしろで同行者が、シャベルで小屋の玄関まで雪道をつくっている
小屋番の人に話しかけました。


当時の小屋番氏、答えもせずいきなり「じゃま、じやま」と手で追
い払うしぐさをしました。「何という無愛想な!」たちまち口ゲン
カが始まりました。


こんな雄大な景色の中でも人間は仕方のないものです。遠く雪をか
ぶった富士山が笑っていました。
・東京都西多摩郡奥多摩町と山梨県北都留郡丹波山村の境。




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▼メルマガ「山のはがき絵」 終わり
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