山のまん画ばなし「北アルプス・黒部源流岩苔小谷のクルマユリ」
▼「北アルプス・黒部源流岩苔小谷のクルマユリ」
【概略文】
黒部源流・雲ノ平の北側直下の平地高天ヶ原。温泉が湧き野天風
呂もあります。その原のまっただ中を流れる岩苔小谷は長さ9キロ。
途中に竜昌池、水晶池などがあり源頭へ突き上げています。
源頭は雲ノ平、水晶岳、鷲羽岳、祖父岳が分かれる岩苔乗越です。
この沢は滝が多く遡行は困難といいます。一名オクノタルサワとも
いい、そのタルは滝を意味するといわれています。
ある夏、雲ノ平にテントを張りっぱなしにして7時間と、一日が
かりで高天ヶ原の露天風呂に入りに行きました。北西方向の彼方に
薬師岳の全貌が望める岩苔乗越から北側へ急下降。右手が岩苔小谷
の源流です。
高山の草木が繁茂するなか、高天原へ流れる沢水の湧き出すあた
りはクルマユリが群生し、赤に黒い斑点のある花がひときわはなや
か。まるで夢の中にいるようでした。
・富山県富山市
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- 2022年10月12日
- 山歩き
山の神話伝説「中央アルプス・宝剣岳の天狗岩と千畳」
▼「中央アルプス・宝剣岳の天狗岩と千畳」
【概略文】
木曽駒ヶ岳の南方に鋭い岩峰を屹立させる宝剣岳。東側直下の千
畳敷カールサギダル」と呼ばれる雪形が2体あらわれ季節を知らせ
てくれます。
山上の宝剣岳には、木曽側へ切れ落ちる肩のあたりに、西向きに
天狗の面そっくりの形をした天狗岩があります。夕方、夕陽に映え
るこの岩のシルエットは見事。このような形が目立たないことはあ
りません。
ふもとに人には昔から知られていたらしく、江戸中期の『宝暦六
年駒ヶ岳一覧記』にも、言い伝えの「天狗岩はこの岩の「義」にて
可有御座と察し、絵図にも相認め申候」とあります。
何年か前の3月、宝剣岳から空木岳をめざしました。登山口駒ヶ
根駅で山岳関係らしい人がしきりに行き先を聞ききます。雪の宝剣
は厳しく、きのう関西の学生が木曽川の谷に滑落、絶対に通らない
ようにとのこと。
そこは小心者ぞろいのわがパーティ、宝剣岳を迂回、極楽平から
稜線へ出たのでした。
・長野県宮田村と上松町との境
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- 2022年10月07日
- 山歩き
山のまん画ばなし「足尾山地・皇海山の剣」
▼「足尾山地・皇海山の剣」
【概略】
皇海山頂、三角点の東側には高さ2mもある青銅の剣が建ってい
て、「庚申二柱大神 奉納 當山開祖 木林惟一」とあり、裏に筆
字で日付けが書かれています。
木林惟一は、東京の庚申講の行者で、庚申山から皇海山へ通じる
道を開き、皇海山を庚申山の奥ノ院にした人という。青銅の剣にあ
る二柱大神とは、この猿田彦と、その妻・天鈿女命のことか。
山の名は、山の形が髪を整えるコウガイに似ているため、笄山と
呼ばれていたが、これにいろいろ当て字し、いつしか皇海になった
という。
ある初夏、鋸山の手前にテントを張り皇海山を往復。登山者は、
群馬県側から車で林道最奧まで乗り入れた日帰り組ばかり。山頂か
ら北に延びるわずかな踏みあと。奥日光の山へつづく道です。遠く
白根山が招いているような気がしました。
・栃木県日光市と群馬県沼田市の境
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- 2022年09月29日
- 山歩き
山のまん画ばなし「山梨県・茅ヶ岳の伝説」
▼「山梨県・茅ヶ岳の伝説」
【概略】
茅ヶ岳の伝説の怪人孫右衛門は天狗とも仙人ともいいます。ある
時山中で、仙人が碁を打つのを見ていて、家に帰ってみたらすでに
三代もの時が過ぎていた。孫右衛門は世を捨てて天狗になったとい
う。
江戸時代初期までは山仕事をしている人の前に時々あらわれたと
いう。正徳年間、村人が山仕事中、うっかり孫右衛門の昼寝のジャ
マをして怒らせてしまった。たちまち、大風が吹きはじめ黒雲空を
覆い、篠つく雨ととどろく雷鳴に村人は生きた心地がしなかったと
いう。
命からがら逃げ帰った村人の話では孫右衛門は、逆立てた頭髪は
真っ白で頬ひげは胸までとどき、大きな目がらんらんと光り、草の
葉、木の皮をつづって着物にしていたという。茅ヶ岳西南の尾根(新
左右衛門尾根)にはいまも孫右衛門を祀る祠があるといいます。
・山梨県北杜市と同県甲斐市との境
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- 2022年09月22日
- 山歩き
山のまん画ばなし「房総・富山伏姫の籠穴」
▼「房総・富山伏姫の籠穴」
【概略】
富山(とみさん)の南峰にはもと行基(ぎょうき)菩薩創建の観
音堂があったので観音峰の名があるそうですが、いまは仮堂がポツ
ンと建っているのみ。
北峰は金比羅(こんぴら)堂があるので、金比羅峰とも呼ばれて
います。この山は滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』「富山の洞に畜生
菩提心を発す流水に泝(さかのぼり)て神童未来果を説く」の舞台
としても有名で、鞍部を西側に下ったところに「伏姫(ふせひめ)
の籠穴」があります。
入口には観光名所として看板が建ち、「仁、義、礼、智、忠、信、
孝、悌(てい)」の文字を使っての説明文があります。洞くつの中
には、祠や石塔がならび異様な雰囲気が漂っています。ところで作
者の馬琴は、この山に来たことがないというから面白い。
実は現地取材なしの創作洞くつが、後世になり、それこそ偶然に
発見されたものだそうです。いまはきれいなトイレも建っています。
・千葉県南房総市
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- 2022年09月20日
- 山歩き

