山里徘徊・田園博物「稲架(とうか・はさ)」
▼某月某日・田園博物「稲架(とうか・はさ)」
自脱式小型コンバインが普及した今日、あまり目にしなくなりまし
たが、かつては稲は鎌で一株一株刈り取って、束ね、杭や棒にかけ
て乾燥しました。
しかしいまでも小さな田んぼでの手刈りや、バインダー(刈り取り
結束機)で刈り取った稲株は地面に広げたり、杭にかけたりして乾
燥させています。
稲は刈り取ったときには、籾に20から25%の水分を含んでいるとい
う。これを干して15%以下に減らしてから脱穀をします。
稲架は、はさ、とうか、いなか、はざ、また、稲木、稲掛けなどと
もいい、横に渡した竹、棒、綱などに稲束をかける方法です。
これは、直接田んぼの地面に干せない湿田地帯で行う方法で、地方
独特の形があります。
架(はさ)が一段だけの単段架は一番簡単な方法で、100mにもな
る長さのものもあり、またコの字形やジグザグにならべ建てたもの
もあります。
この田んぼにならんだ稲架は秋の田園風物詩になっています。北陸
や山陰地方では何段仕立てにした壁のような構造にした多段架形式
があり、家の回りに作ったりします。
この多段架には垂直架と傾斜架があり、傾斜架は稲をかける面が傾
斜しており、なかには両方が斜面になった屋根形もあるという。
新潟地方ではハンノキを植えて幹を利用し多段架を組むという。最
近は鉄パイプやコンクリートの杭も使用されているそうです。
また、風の強い地方では稲架面に穴をあけ風による倒伏を防ぐなど
その地域伝統の方法を取り入れてあるようです。
私の生まれた千葉県下総地方では、オダ(小田)と呼び3本の柱に
竹などを渡したもの。
その支柱をオダアシ(小田足)とよんで子供のころから運ぶのを手
伝わされたものでした。
その他、稲を干す方法には、地干し(田んぼの地面にならべて乾か
し、2,3日乾燥したあと、束ねえふたたび乾燥する)の方法、積
み干し(ニオにして乾燥させる方法)、杭干し(棒杭にかける)な
どがあります。
なお、架干しは古く、平安時代の841(承和8)年に、最も有効な
乾燥の仕方として奨励した記録があるそうです。
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▼終わり
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- 2016年09月24日
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