某月某月「後立山連峰・五龍岳と武田菱岳」
後立山連峰・五龍岳と武田菱岳
五龍岳にはG0からG7と呼ばれる岩峰群があり、そのG2の大き
な岩峰の崖には、X字形の割れ目があります。
ここのヒシはX字形に割れ目があるので「割りビシ」です。雪が積
もると、菱の岩肌だけが黒く残って目立ちます。
またX字の割れ目にも雪が着くと、「四つ割り菱」の雪形に見えま
す。
戦国時代、ここ五龍の山ろくも武田家の勢力下。領主サマ・武田信
玄の紋章がたまたま同じ「菱」を使った武田菱です。
その上よくみると、おらが「割りビシ」も武田菱に似た形。菱はリ
ョウとも読み、村民のなかでは「御菱(ごりょう)」と呼んだりし
ました。
ごりょうが五龍になまったという。また地蔵ノ頭の風切地蔵、天狗
尾根の風切地蔵など、このあたりには風切地蔵が多い。
このあたりは5月ごろ、大風が吹いてたびたび被害を受け、風除け
のために勧進したという。
・長野県大町市と富山県黒部市宇奈月町旧地区との境。
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★おわり
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- 2016年09月20日
- 山の伝承
野の本・山の本「塩の道源長寺」
▼某月某日「塩の道源長寺」
長野県の千国街道(塩の道)は石碑、石仏が多く歴史の道として訪
れる人に人気があります。
JR千国駅近くの源長寺は、元亀元年(1570・室町末期開基)のお
寺。
開祖の洞光和尚は、天正2年、白馬岳東北方の小蓮華岳に登り、大
日如来の石像をまつったことでも由緒深い。
ある年の夏、小雨のなか、無人の千国駅に下車。山ノ神尾根から小
蓮華岳、白馬岳をめざす途中、源長寺をずねました。
大きな道祖神や庚申塔、境内の塔に刻まれた六地蔵、元貞翁筆塚、
子持ち地蔵などを見物。
ところが、ここでの参拝の仕方が悪かったのか、その夕方、道に迷
って湿原の中をはいずりまわるテイタラタ。
ついに雨も降り出し沢沿いでビバークするありさま。結局、小蓮華
岳の大日如来像をたずねられたのは、やっと3日後。
その間オレはいったい何やってたんだろう。
・長野県小谷村
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▼終わり
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- 2016年09月19日
- 山の伝承
山のはがき絵「北アルプス・遠見尾根と風切地蔵」
北アルプス・遠見尾根と風切地蔵
五龍岳には遠見尾根から登ります。遠見とはタワミ(タルミ)のこ
とだそうです。
また五竜から八峰にかけての眺めがよいので小展望台の意味の「遠
見」を当てたという。
そして大きいタワミを大遠見、小さいタワミを小遠見にしたのだそ
うです。
小遠見山から地蔵ノ頭に着くと大きなケルンがあり、その中の地蔵
さんは風切地蔵とか風除け地蔵というそうです。
そのほか小遠見山から南東に下る尾根・天狗尾根にも風切地蔵があ
り、これらの地蔵は山麓を風害から守っているという。
・長野県大町市と白馬村との境
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★おわり
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- 2016年09月18日
- 山の伝承
山の伝承・民俗画「山の花・ナンバンギセル」
某月某日【山の伝承・民俗画】「山の花・ナンバンギセル」
道ばたに生えているススキの根元に、奇妙な花を見つけます。まる
でタツノオトシゴが口をあけたようです。ご存じナンバンギセル。
その形がいかにも南蛮渡来のタバコのキセルのようで、花が咲いて
いるという感じではありません。
この植物は寄生植物で、ススキやヒエ、サトウキビなどのイネ科や
ミョウガ、スゲ属にまに寄生する居候(いそうろう)。
寄生性なので葉緑素がなく、葉も退化しちゃっています。「万葉集」
では「オモイグサ(思い草)」と、ロマンチックな名前で歌われて
います。
茎は地面の中にあって、外に出ている長い雁首は花柄で、その先に
ピンクがかった花を咲かせます。
弱々しく見える草ですが、焼酎漬けにして飲むと強壮、強精に効果
があるそうです。
俳句に「咲くといふものにはあらぬきせる草 森田公司」と詠まれ
ています。
・ハマウツボ科ナンバンギセル属の1年草
▼「イラスト」と説明文は下記からどうぞ。
http://toki.moo.jp/merumaga/yamatabi/yamatabi08.html
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★おわり
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- 2016年09月17日
- 山歩き
山のはがき絵「房総三石山」
房総三石山
房総半島のほぼ中央にある三石山の山頂は、狭い岩峰が突起になっ
ています。その上に立つと、まるで空中に突き上げられた感じにな
ります。
この山は標高は282mと低いですが、箱根、丹沢の山々や富士山、
鹿野山、高宕山、愛宕山、清澄山まで360度の展望。
ほこらのまわりは縁結びの観音への願かけで、ハンカチ、タオル・
ネクタイなど結びつけられています。
ここは直下の三石観音堂の奥の院になっています。観音堂は三つの
大石に食い込むように建っているのですが、この岩が年々大きくな
っているというのです。
かつては傘をさして通れたという。そういえば以前はこんなに窮屈
ではなかったようなきします。
このあたりにも天狗が棲んでいて暴れまわり、ふつうのお坊さんで
は勤まらなかったようです。
ここもかつては海の底だったらしく三つの大岩には貝の化石がつい
ていています。
・千葉県君津市。
▼「イラスト」と説明文をどうぞ↓
http://toki.moo.jp/merumaga/uusangac/uusangac05.html
★おわり
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- 2016年09月16日
- 山の伝承