山の石仏「長野県修那羅山(峠)にも蔵王権現がありました」
▼山の石仏「長野県修那羅山(峠)の蔵王権現」
蔵王という文字もよく目にします。ふつう「蔵王」というと東北
の蔵王連峰を思い浮かべます。しかし、その元である蔵王権現は、
奈良時代、修験道の祖・役ノ行者(えんのぎょうじゃ)が、苦しむ
人たちを救うにふさわしい神を求めて、奈良県の吉野金峰山(きん
ぷせん)に籠もり、苦行のうちに感得した悪魔降伏(ごうぶく)の
菩薩だそうです。
金剛蔵王菩薩ともいうそうです。その像は一面三目の顔で、青黒
色の憤怒相。怒髪天をつき、右手に三鈷杵(さんこしょ)を高く振
り上げてにぎり、左手は剣印(けんいん)という印を結んで腰にあ
てています。右足を踏み上げ、左足で岩の上に立っています。
これは仏典には説かれていない日本独自の神だそうです。ご利益
は魔障除去、怨敵退散、所願成就、商売繁盛、事業繁栄とされてい
ます。
蔵王権現の最初の記録は『今昔物語』(巻第十一、第三)で、「金
峰山(みたけ)の蔵王菩薩は、この優婆塞(うばそく)が祈った結
果、生じなさった菩薩である」とあります。
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- 2019年10月13日
- 未選択
▼富山県立山の天狗・縄乗坊(しじょうぼう)とそのいわれ
【本文】
北アルプス立山にも、天狗がすんでいることになっています。弥
陀ヶ原東部の溶岩台地を天狗平、その南側の山を天狗山といいま
す。立山信仰のいいつたえに「参詣人の不敬、慢心の者には天狗
が怒り、石を投げる」とあります。天狗の名は立山縄乗坊(しじ
ょうぼう)と呼ばれています。
『甲子夜話』(かっしやわ)(1821年・江戸時代文政4年起稿)と
いう本の(巻七十三)に、ある時、千葉県上総(かずさ)の源左
衛門という人が天狗にさらわれました。そしてここ立山にある大
きな洞窟(穴は石川県の白山まで通じているという)に連れこま
れた話が載っています。
立山は、主峰の雄山(おやま)、大汝山(おおなんじやま)、富士
ノ折立(おりたて)の三峰をとくに「立山三山」というそうです。
雄山山頂には雄山神社奥宮(立山権現)があります。祭られてい
る神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と刀尾(たちお)天神とい
う神さまだそうです。
立山権現などと、よくいわれる権現とは、聞きかじりによれば「平
安時代におこった本地垂迹説(ほんぢすいじゃくせつ)という説
によるもので、日本の神は仏や菩薩が人々を救うために権(かり
・仮)に神の姿になってあらわれているものだとしています。
それによれば、伊邪那岐命の本地仏(ほんぢぶつ・本当の姿の仏
さま)は阿弥陀如来で、刀尾天神の本地仏は不動明王だそうです。
さらに刀尾天神は地主神で手力雄命(たぢからおのみこと)のこ
とだそうです。
もともとこの立山を開山したのは佐伯有頼(さえきありより・の
ちの慈興上人、実際は約200年後の延喜年間の人)という人(大宝
元年・701開山)だとされています。そのあと天台宗、真言宗の修
験者たちにより、立山への入峰の道が作られます。
富山県中新川郡立山町から東へ向かって突き上げる常願寺川に
沿って、岩峅寺(いわくらじ)から芦峅寺(あしくらじ)という所を経由
して雄山に登る道は天台宗の人たちが通った入峰の道。
一方、富山県中新川郡上市町大岩にある大岩山日石寺を拠点とす
る真言宗は、馬場島(ばんばじま)から大日岳に登るコースだそ
うです。(天台宗の修験でも芦峅寺から大日岳の順路で入峰した)。
このコースはどちらも剱岳は避けています。
このように剱岳は近世末までは、立ち入ることはタブーの山だっ
たそうです。それでも登りたがる人間はいたらしく、天保9年(18
38)ごろ、加賀前田藩士の増(松)崎藤左衛門という人が剱岳へ登っ
たという記録があります。しかし、その帰途に急死しているとい
う(登るのは藩命違反だということで処分されたらしい)。
同じころ、修験者の快天も登頂したそうですが、自分の手柄とし
て自慢して歩いたため地元の村人に虐殺されたと聞きます。それ
でも、このタブーの山、しかも裏剣の仙人谷洞窟で修行した行者
がいたというから驚きです。
南北朝時代の作と思われる仏像が洞窟で見つかっています。大日
如来の座像らしいというから、たぶん真言系の修験者ではないか
といわれています。
下って明治40(1907)年、柴崎芳太郎が測量のため登山した時、
剣岳山頂で銅製錫杖頭と鉄剣を発見。さらに山頂わきの石窟の中
に木炭も見つけている話は有名です。その錫杖頭は8世紀代のも
のといい、こんな大昔から石窟は籠山修行の場だったといいます。
そんなに古くから盛んだった修験道場の立山、剱岳あたりに天狗
がいないわけがなく、いろいろな天狗ばなしが伝わっています。
しかし、いまではシーズンになると押すな押すなの登山者たち。
雄山神社は本殿に入るのに入場料をとられ、剱岳山頂では、祠に
よりかかって昼寝をするやから、小宴会をやらかすパーティまで
いて、記念写真もままなりません。そんな有りさまにあきれかえ
ったのか、いまでは天狗の姿も見かけなく、文献を調べてもサッ
パリ出て来ないようです。
▼【データ】
【山名・地名】室堂平バスターミナル。室堂は立山の信仰登山のた
め、1695年(元禄8)に金沢藩の参籠所としてつくられた。のち享
保年間(1716~36)に山小屋になった。わが国で最も古い山小屋。
【所在地】
・富山県中新川郡立山町町。富山地方鉄道立山線立山駅の東14キロ。
富山地方鉄道立山駅からケーブル、美女平駅からバス、立山室堂平。
電子基準点(標高2441.24m)と電子基準点(付)(標高2432.55m)
ある。
・地形図に室堂平、室堂ターミナル、自然保護センター、郵便局記
号、病院建物記号、交番建物記号、官公署建物記号、電子基準点記
号とその標高(2432.6m)の記載あり。
【位置】
・電子基準点:【緯度経度】(三角点位置・北緯36度34分37.17秒、
東経137度35分45.47秒)
【地図】
・2万5千分の1地形図「立山(高山)」
▼【参考】
・東洋文庫『甲子夜話・5』(松浦靜山著)校訂・中村幸彦ほか(平
凡社)1989年(昭和64):『甲子夜話』(巻七十三・六)
・『角川日本地名大辞典16・富山県』坂井誠一ほか編(角川書店)
1979年(昭和54)
・『山岳宗教史研究叢書・16』五木重編著(名著出版)1981年(昭
和56)
・『図聚天狗列伝・東日本編』知切光歳著(三樹書房)1977年(昭
和52)
・『天狗の研究』知切光歳(大陸書房)1975年(昭和50)
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- 2019年09月23日
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山の伝承ひとり画ってん「大室山は富士山を隠す」
山の伝承ひとり画ってん「大室山は富士山を隠す」
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みなさんこんにちは。また新しく読者登録して下さったみなさん、
よろしくお願いします。
さてきょうの山の伝承ひとり画ってんは
「大室山は富士山を隠す」
【概略】
神奈川県と山梨県境の大室山は、丹沢のなかでも一番奥深い山で
す。その山名は山梨県道志村の大室指集落の名に由来しているとい
います。以前の地図には大群山とも書いたものもあります。
大室山は、八王子近郊や相模原北部側から富士山方面を見ると、
手前にこの山が横たわり富士山を隠してしまうので「富士隠し」の
異名があるという。
江戸時代の地誌『甲斐國志』に、「大群山 高山ナリ麓ヨリ登ルコ
ト五十余町頂ニ大群権現ノ社アリ此ノ峯富士ノ東面ヲササ(遮蔽)
フ故ニ武蔵ニテ富士隠ト云フ」とあり、「富士隠し」の名はかなり
古くから呼ばれていたようです。
地元役場発行の『道志七里』にも、柳田國男の序文に「富士見町
ヨリ富士山ヲ望見スルニ『富士隠シ』ト称シ、一座ノ青山ノ外線極
メテ雄渾ナルモノアリテ其前面ニ横タハルヲ見ル。是レ陸地測量部
ノ地図ニ所謂大群山(一五八八米)ニシテ……」とあります。
・神奈川県山北町と山梨県道志村との境
……【さらに本文と出典】は筆者のページで↓
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- 2019年09月18日
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山の伝承ひとり画ってん「丹沢・檜洞丸でブロッケンを見た」
「丹沢・檜洞丸でブロッケンを見た」
檜洞丸は山頂が広場になり、ブナの原生林におおわれています。
展望はないが、木道の上からバイケイソウやマルバダケブキの花が
目を楽しませてくれます。季節にはツツジの花も美しい。
西丹沢県民の森で野宿を計画。その前日、石棚山から檜洞丸経由
犬越路に向かった時のこと。熊笹ノ峰から大笄(おおこうげ)を過
ぎた辺りから神ノ川側に猛烈なガスが湧いてきました。
相模側は晴れて太陽が出ています。歩く姿が立ちこめたガスに写
り金色の輪ができた次の瞬間はっきりした大きなブロッケンがあら
われました。
丹沢で、しかも3、4mの近さ。2000年11月4日10時15分か
ら数分間のことでした。
・神奈川県山北町と相模原市の境
……【さらに本文と出典】は筆者のページで↓
http://toki.moo.jp/merumaga/tanzawa/tanzawa04.html
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- 2019年09月08日
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▼ふるさとの神々・ひとり画ってん「尾瀬から桧枝岐、越後国に逃れた以仁王」
▼ふるさとの神々・ひとり画ってん「尾瀬から桧枝岐、越後国に逃
れた以仁王」
▼『新ふる神上』(ina07-14):「以仁王」(画展なし)
【概略文】(400字)
以仁王も神さまとして各地でまつられています。宮城県、新潟県
の各地には高倉宮にちなんだ古墳や廟など遺跡が散在しています。
これは後白河天皇の第二皇子・高倉宮以仁王にちなむ古跡だとされ
ています。
以仁王は、治承4年(1180)、源平宇治川の戦いで敗死しました。
しかし、死んだのはにせ者で、東北に逃れたとの噂がしきりでした。
高倉神社の社記「人皇八十代高倉院ノ御宇治承年四秋書」による
と、宇治川の合戦で敗れた以仁王は「足利又太郎忠綱ノ情ニテ、御
助命アリ、越後ノ住人小国馬頭頼之ニ依リ、落チ給フ」とあります。
その時、尾瀬中納言藤原頼実、三河少将光明、小椋少将藤原定信
ら二十数名がお供し、上州沼田より入り戸倉沼山に宿泊したとあり
ます。
伝説では東海道経由で甲斐、信濃、沼田に出て、戸倉から桧枝岐
に入り、楢原村(今の福島県下郷町)に達すると、ここに逗留。そ
の後、叶津から八十里越を経て越後国に出ましたがそれから先は不
明になっています。
▼【さらに本文】筆者のページで↓
http://toki.moo.jp/merumaga/fulkamijo/fuljo-03.html
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(以上絶版になっております)
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- 2019年09月05日
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