某月某日「北ア・燕岳合戦尾根の鬼臼」
某月某日【山の伝承・民俗画】「北ア・燕岳合戦尾根の鬼臼」
燕岳直下・合戦小屋には鬼の顔が掘った臼があります。そばの立て
札に伝説が書いてあります。
「中房温泉有明山に住む魏石鬼あり…大鬼雲を起こし霧を降らし天
を飛び、里に出ては財宝、婦女を掠奪し、山野に出ては社寺仏閣を
破壊し、狼藉三昧の明け暮れ…。
坂上田村麻呂…ついに中房川上流の谷間で大合戦の末魏石鬼を打ち
(ママ)はたす。
合戦の沢、今の合戦沢をいう。合戦小屋の下深い谷間、その地に合
戦の歴史あり…」。
鬼の体はバラバラに埋められ、いまでも耳塚(穂高町)、首塚、立
足などの地名が残っているという。
鬼とはどの地方でも、たいがいは地元を支配していた王を指してい
ます。
地元の民にとっては自分たちの王。そう簡単に他からの侵略者に魂
を売りません。
いまでも魏石鬼やその手下とされる常念坊はしたたかに人々の心の
中で生きています。
・長野県安曇野市
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- 2016年09月28日
- 山の伝承
某月某日「丹沢・蛭ヶ岳付近ガスの鬼ヶ岩」
某月某日【山の伝承・民俗画】「丹沢・蛭ヶ岳付近ガスの鬼ヶ岩」
丹沢山・不動ノ峰を過ぎると鬼ヶ岩ノ頭と、少し北側に鬼ヶ岩とい
う岩峰があります。
登山道は鬼ヶ岩ノ頭の岩峰からガレた急坂のクサリ場になってい
て、昔はかなりな難所だったといいます。
かつて山伏たちは、ここを「仙人の岩」と呼んであがめたと、何か
で読んだことがあります。
9月末、地元山岳会の集まりに参加。翌日、不動ノ峰で別れ久しぶ
りに主脈を歩きました。
朝からのガスは一向にとれず、鬼ヶ岩も視界が効きません。クサリ
の先がガスの中に消えています。
最近は車登山が増えたせいか縦走者にはめったに逢いません。蛭ヶ
岳の小屋があらわれたころ、道に渡したロープに板がぶら下がって
います。
見ると「よく頑張ったネ。犬」。えッイヌ? とたんに小屋から番
犬が出てきてしこたま吠えられました。
子供のころに噛みつかれたことがありいまも怖いんだよな。
・神奈川山北町と相模原市との境。
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- 2016年09月26日
- 山の伝承
山里はいかい・いなかの神さま「雨乞い神」
▼某月某日・山里はいかい「雨乞い神」
稲作に欠かせないのは何といいっても水です。いざ干ばつにでもな
れば、水争いも起こりかねません。
そこで最後は雨乞いの「神だのみ」となります。この雨乞いにも、
いろいろな方法があるのだそうです。
まず、神社の前にお籠もりし、夜も眠らずに鐘をならしたりして、
立ちっぱなしで祈願する型。
また、池や水源地から水をもらってきて、田畑や村の神社や池にま
く型。唄や踊りをする型。
その他、水神や雷神をわざと怒らせて雨を降らせようとする型。山
の上でまきやわらを積んで火をたく型などがあります。
神奈川県丹沢の大山は、雨降山ともいい、昔は雨乞いの山。山頂の
阿夫利神社は、大雷神、水を司る高?(たかおかみ)神をまつりま
す。
また、中央アルプス長野県の木曽駒ヶ岳(2956m)の北東の濃ヶ池
も雨乞いの池。江戸時代、ひでりに苦しんだ伊那市の農民が登山し、
雨乞いをした記録が2回もあります。
▼↓【画像】と説明文をどうぞ
http://toki.moo.jp/merumaga/nonokami/nokami02.html
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▼終わり
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- 2016年09月25日
- 山の伝承
某月某月「海を渡って富士山と背比べにきた山」
海を渡って富士山と背比べをしにきた山
昔々、まだ日本中が国造りの途中だったころの話です。富士山がど
んどん大きくなっていくのを見て、全国各地の山々は次々に背比べ
を挑んできました。
そして競争に負けると富士山は相手を蹴飛ばして低くしてしまいま
した。
そのなかでも一番有力視されていた白山も富士山に負けてしまいま
した。
それを聞いた外国の山も黙っていられません。愛鷹山(富士山の南
東にある)もわざわざ中国から海を渡ってやってきたという。
柳田國男も「日本の伝説」の中で駿河の足高(愛鷹)山は、大昔諸
越(もろこし)という国から、富士山と背競べをしに渡ってきた山
だという。
それを聞いた箱根の足柄山の足柄明神が「富士山と勝負だなんて生
意気な山だ」と怒って足で蹴飛ばして崩してしまいました。
そのかけらが海の中からだんだん寄せ集まり、海岸に小高い陸地が
できあがりました。
それが浮島が原だということです。・静岡県富士市、沼津市、裾野
市、駿東郡長泉町の境。
▼「イラスト」と説明文をどうぞ↓
http://toki.moo.jp/merumaga/uusangac/uusangac01.html
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- 2016年09月25日
- 山の伝承
某月某月「立山・竜王岳の天狗と竜」
立山・竜王岳の天狗と竜
立山浄土山の一角にそそり立つ岩峰龍王岳。山頂の鋭い尖峰に降っ
た雨はこのピークで2分され、東に流れて黒部川、西に流れて常願
寺川に注いでいます。
ザラ峠から西側、常願寺川に下る途中の立山カルデラ底池沼のひと
つ刈(狩)込池があります。この池は竜王の住みかだそうです。
立山開山の祖である佐伯有頼は、常願寺川の氾濫を鎮めるために立
山権現に祈って、水害をもたらしている三里四方の悪竜や、大蛇を
すべてこの池に封じ込めたという伝説があります。
「南谷には大きな池よ、山を開いた有若(有頼)さまは、あまたの
大蛇が住みなす故に、権現さまに頼ませられて、大蛇刈込池じゃと
ござる」…。「飛騨越中安政地震 山抜泥水化物口説」の一節です。
これは1858(安政5)年の地震による大水害を記憶にとどめるた
め、を流布させた口説節というものだそうです。
・富山県立山町。
▼「イラスト」と説明文をどうぞ↓
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- 2016年09月23日
- 山の伝承