山のまん画ばなし「足尾山地・皇海山の剣」
▼「足尾山地・皇海山の剣」
【概略】
皇海山頂、三角点の東側には高さ2mもある青銅の剣が建ってい
て、「庚申二柱大神 奉納 當山開祖 木林惟一」とあり、裏に筆
字で日付けが書かれています。
木林惟一は、東京の庚申講の行者で、庚申山から皇海山へ通じる
道を開き、皇海山を庚申山の奥ノ院にした人という。青銅の剣にあ
る二柱大神とは、この猿田彦と、その妻・天鈿女命のことか。
山の名は、山の形が髪を整えるコウガイに似ているため、笄山と
呼ばれていたが、これにいろいろ当て字し、いつしか皇海になった
という。
ある初夏、鋸山の手前にテントを張り皇海山を往復。登山者は、
群馬県側から車で林道最奧まで乗り入れた日帰り組ばかり。山頂か
ら北に延びるわずかな踏みあと。奥日光の山へつづく道です。遠く
白根山が招いているような気がしました。
・栃木県日光市と群馬県沼田市の境
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- 2022年09月29日
- 山歩き
山のまん画ばなし「山梨県・茅ヶ岳の伝説」
▼「山梨県・茅ヶ岳の伝説」
【概略】
茅ヶ岳の伝説の怪人孫右衛門は天狗とも仙人ともいいます。ある
時山中で、仙人が碁を打つのを見ていて、家に帰ってみたらすでに
三代もの時が過ぎていた。孫右衛門は世を捨てて天狗になったとい
う。
江戸時代初期までは山仕事をしている人の前に時々あらわれたと
いう。正徳年間、村人が山仕事中、うっかり孫右衛門の昼寝のジャ
マをして怒らせてしまった。たちまち、大風が吹きはじめ黒雲空を
覆い、篠つく雨ととどろく雷鳴に村人は生きた心地がしなかったと
いう。
命からがら逃げ帰った村人の話では孫右衛門は、逆立てた頭髪は
真っ白で頬ひげは胸までとどき、大きな目がらんらんと光り、草の
葉、木の皮をつづって着物にしていたという。茅ヶ岳西南の尾根(新
左右衛門尾根)にはいまも孫右衛門を祀る祠があるといいます。
・山梨県北杜市と同県甲斐市との境
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- 2022年09月22日
- 山歩き
山のまん画ばなし「房総・富山伏姫の籠穴」
▼「房総・富山伏姫の籠穴」
【概略】
富山(とみさん)の南峰にはもと行基(ぎょうき)菩薩創建の観
音堂があったので観音峰の名があるそうですが、いまは仮堂がポツ
ンと建っているのみ。
北峰は金比羅(こんぴら)堂があるので、金比羅峰とも呼ばれて
います。この山は滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』「富山の洞に畜生
菩提心を発す流水に泝(さかのぼり)て神童未来果を説く」の舞台
としても有名で、鞍部を西側に下ったところに「伏姫(ふせひめ)
の籠穴」があります。
入口には観光名所として看板が建ち、「仁、義、礼、智、忠、信、
孝、悌(てい)」の文字を使っての説明文があります。洞くつの中
には、祠や石塔がならび異様な雰囲気が漂っています。ところで作
者の馬琴は、この山に来たことがないというから面白い。
実は現地取材なしの創作洞くつが、後世になり、それこそ偶然に
発見されたものだそうです。いまはきれいなトイレも建っています。
・千葉県南房総市
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- 2022年09月20日
- 山歩き
山のまん画ばなし「北アルプス・常念岳の常念坊伝説」
▼「北アルプス・常念岳の常念坊伝説」
【概略】
常念岳はもともとは「まゆみ岳」と呼ばれていたという。平安時
代になり、坂上田村麻呂が常念岳北方にある有明山の岩屋に住む魏
石鬼八面大王を退治したという。
その時大王の手下の鬼・常念坊が空を飛び、まゆみ岳に逃げ込み
そのまま住みつきました。それからというもの、年の暮れにふもと
の村に市が立つときまって酒屋に怪しい僧侶がやってきて、5合の
徳利を出しては5升くれという。酒屋の親父が頭をひねりながらも
ついでみると不思議に入ってしまう。
それを村人が聞いて、「あの坊さんはまゆみ岳の常念坊に違いな
い」と話し合い、いつかまゆみ岳のことを常念岳と呼ぶようになっ
たという。そのほか山名については、常念岳山麓の栗尾山満願寺の
お坊さんの常念坊が初めて登った山なので常念岳になったという説
があります。
・長野県松本市と安曇野市との境
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め多少時間がかかるかも知れません。ご了承下さい。
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- 2022年09月16日
- 山歩き
山のまん画ばなし「奥秩父・甲武ヶ信岳千曲川の源流」
【概略】
日本一の長さを誇る信濃川は、長野県内では千曲川と
呼ばれ、島崎藤村の『千曲川のスケッチ』の舞台にもな
っています。この川の水源は、長野、山梨、埼玉県境に
ある奥秩父・甲武信岳の直下にあります。
ある年の6月、甲武信ヶ岳とミズシと呼ばれるピーク
の鞍部から長野県側の源流点に降りて行ってみました。
そこには「千曲川信濃川水源標」とか、地元の小学生の
つくった立て札のほか、「清流、いつでも美しくあれ」
などと書かれた木柱がたくさん建っています。
登山者はザックをおろし大休止。おやつを食べる者、
突然湧き出す水を口にする者、それぞれに憩い、源流点
は以外ににぎやかでした。
地元の人らしい犬を連れた2人連れが、これから掘り
に行く植え木のありかをいつまでもしゃべっていまし
た。
・長野県川上村
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- 2022年09月06日
- 山歩き